人気のない道を少女が一人歩いていた。
少女の手からは血が滴り落ち、服に付いた血は赤黒く光っている。
「ハァ・・・ハァ・・・」
先程まで走っていた為に少女は息を切らしている。
服装を見ると、少女が並盛中学校の生徒であることがわかる。
は逃げる事に必死だったのでここがどこなのかわからない。
「あれ、また私がやっちゃったのかな…」
あれというのは、先程が見た光景のことだ。
それは、あまりにも悲惨な状況だった。
自分の知らない部屋にいつの間にか彼女は立っており、足元には大量の血。
その血の海の中には倒れている人間が数人。
彼らの傷口はどれも獣か何かに裂かれたようなもので、確実に致命傷を負っていた。
しかし自身は無傷で、体中に多量の返り血を浴びていた。
ということは、彼らは自分の手で……
――思い出しただけでも気持ち悪くなる…
そう思い、何か気分を晴らせるものはないかと何気なく辺りを見回すと一つの小さな公園があった。
――あの公園で少し休もう…
そこは整備が行き届いておらず、かなりさびれていた。
公園の名前も、ボロボロになっているためにわからない。
とりあえず彼女は入り口から一番遠いベンチを選び、そこに腰掛けた。
その瞬間、今までの疲れとかがどっと押し寄せ、彼女は眠りに落ちた。