の着替えが終わると、二人は雲雀の家を出た。
しばらく歩き、の家に着く。
雲雀の家から彼女の家までは、そう離れていなかったようだ。
――何で私の家わかったんだろう…
そうは思ったが、あえて口にはしないことにする。
そんなことより、今は一晩帰らなかったことをどう説明するかが彼女には問題だった。
…もっとも、こんなことは親の職業上よくあることなのだが。
「た、ただいま…」
恐る恐る取っ手を引くと鍵はかかっていなく、中はとても静かだった。
――おかしい。
直感的にそう思い、は入るのを躊躇う。
すると、雲雀はそれを感じ取ったのか
「入るよ」
という一言だけを言い、家の中へ入っていった。
それを見て、慌てても入る。
一歩家へ足を踏み入れた瞬間、今まで曖昧だった感覚が確信に近いものへと変化していった。
――やっぱり何か変だ…。それにこの臭いってたしか…
そんなことを考えながら歩いていると、いつの間にかリビングの近くまで来ていた。
それに気づいたのは、急に立ち止まった雲雀にぶつかってからだった。
「あ!ご、ごめんなさい!!」
ぶつかった瞬間、雲雀は驚いた顔でのほうを見ると手で彼女の目を覆った。
「見ないほうがいい」
「え?」
何を言われたのかその瞬間にはわからなかったが、雲雀の手の隙間から見えたもので何のことなのかを理解した。
彼の手の隙間から見えたのは、彼女の両親の無惨な姿だった。
「う…あ…」
喉の奥で言葉にならない声が鳴る。
とてもじゃないがそれは直視できるようなものではない。
は目眩がしたかと思うとその場に倒れてしまった。
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