気がついた時、彼女は見知らぬ部屋のベッドに横になっていた。

現状を少しでも把握するため、起き上がり辺りを見渡す。
アンティークな家具類とそれに似合わないパソコンだけが部屋にあるようだった。

――とにかく外へ…。

その一心で部屋に一つだけあるドアを開こうとする。
が、ロックがかけられているようで開く気配はない。
仕方ないのでは一度ベッドに腰かけ、状況を整理する事にした。
まず、昨晩…というよりは明朝の出来事を思い出そうとする。

「…バズーカ。バズーカの弾が飛んできた。あれは、10年バズーカ…?」

もしあれが10年バズーカであるならば、ここは10年後の世界ということになる。
…そうでなければ、困るが。

「さて、と…」

どうしたものかと考えようとした時、急にパソコンが起動する音がした。

「…これは」

画面に羅列した文字を眺めながら呟く。

「要はなんとかしてここのシステムにハッキングしなきゃいけないのか…」

全てを読み終え、溜め息をつく。
それは10年後の彼女からの暗号だった。

内容は彼女の作ったセキュリティを突破し、この部屋の扉を開けろとのことだった。

「やるしかない、か…」

そう呟くと、はパソコンの前に座った。

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