私の両親は情報屋をしていまして、マフィアの間では結構有名だったんです。
その日もとあるマフィアの依頼で、情報を売りにイタリアへ行ったのです。
まだ幼かった私には両親の仕事が終わるまでが退屈で、勝手に町を歩き回っていました。
両親が向こうで仕事をするときには必ずと言っていいほどそうしていたんです。
だから大丈夫だろうと思っていたんですが、それが甘かったんですよね。
もうそれは見事にあっさりと私は捕まったんです。

その私が捕まった相手と言うのが、『エストラーネオファミリー』だったんです。
彼らが何をしていたのか、十代目は知っていますよね?
私もその実験台の一人だったんです。
私も骸のように目に細工をされまして、左目でいくつかの能力が使えるようになりました。

その実験台としてエストラーネオファミリーに居たときに出会ったのが骸だったんです。
彼は本当におとなしそうな子で、そして私に本当に優しくしてくれました。
彼が居なければ私は死んでいた可能性もありますね。

マフィアの実験台にされてしばらくして、私はそこを抜け出すことが出来ました。
両親がエストラーネオのことを突き止めたんです。
その少し後に骸がエストラーネオファミリーを壊滅させました。
これが、私と彼との関係です。

私は今までそれらの記憶を書き換えられていたので全然覚えていなかったのですが。
雲雀さんと初めて会ったのは記憶を書き換えられて数日経ってからのことです。

本当は他人との交流を禁じられていたのですが、雲雀さんと話してしまったんですよね…。
そのことを知った両親は、私と共に再びイタリアへと行きました。
そこで信頼できるマフィアの方に私を守ってもらう、と。

そのときの私にはわかりませんでしたが、エストラーネオの一件以来、私は命を狙われていたようなんです。
…いえ、『狙われている』ですね。
きっと今もでしょうから…。

そして、それからはずっとイタリアに居たのですが、三日前にやっと日本へ戻ってきたのです。
両親が日本で仕事があるとの事で…きっとそれがリボーンさんの依頼だったんじゃないでしょうか?

しかし、両親はその仕事をする前に殺されてしまった。
きっとあれはどこかのマフィアの仕業でしょうね。
私もそうなんですが両親は情報屋だけではなく、殺し屋としてもたまに働いていましたから。

どこかのマフィアの報復といったところでしょう。
もしくは知ってはいけない情報を手に入れたか。

いずれにせよ両親がマフィアに殺されたと言うことだけは確かです。
それもかなりの腕前の。
そこら辺の強盗程度じゃ両親は殺せませんからね。

誰の仕業なのか知ることも出来るんですが…今は能力も安定していないので難しいでしょうね。
それに時間が経ち過ぎていますし。

そういえば、私の能力を説明していませんでしたね。

私のこの左目は幻覚、身体能力の向上、そして多少の治癒が出来ます。
…骸の目に比べて完成度が低いんですよね、私の目。

それと、これは生まれたときからあるのですが、触れた相手の過去を知ることが出来ます。
とはいえ、まだ全然コントロールできないので見たいものが見れませんし、あまりにも古い情報なども全然見ることが出来ないのです。

…とりあえず、皆さんに話しておかなければならないのはこんなところでしょうか。
多分これで私のこと、両親のこと、骸との関係については話し終えたと思うのですが…。

何か質問はありますか?

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