一通り話し終えたはその場に居る全員に質問が無いか問う。
とはいえ、質問があると言われても答えられることは少ないのだが。
少しの間があり、いかにもスポーツが得意そうな少年が口を開いた。
「なぁ、何で俺たち全員が集められたんだ?」
「それが…地下室でこんなものが見つかったものですから…」
「そ、それってボンゴレリング!?」
の手のひらの中にはボンゴレリングのような指輪があった。
「何でてめえがこれを持ってんだよ!!」
「何でと言われましても…その昔プリーモから頂いたので…」
「プリーモって…えぇ!?」
「あぁ、私が頂いたわけではありませんよ。私の祖先が頂いたのです」
「そ、そうだよね!」
恥ずかしそうに笑顔を浮かべる綱吉には微笑みかけた。
「まぁ、私がもらったと言うのもあながち間違いではないのですが…」
「え!?」
「なんでもありません」
「そ、そう?それにしてもこのリング、何で君が…?」
「このリングは使用できる人間が特定されていますから…」
「どういうことです?」
「…これは、星のリングなんです」
「星?そんなもん聞いたことねぇぞ」
「それはそうですよ。これは私の家で受け継がれていましたから」
「ボンゴレリングが、か?」
リボーンの問いにはこくりと頷く。
「どういうことだ?」
「このリングにあった記憶なのですが、どうやらこれは大空のリングと同様持つ者を選ぶようでして…」
「持つ者を選ぶって…?」
「選ばれなかった者がこのリングをはめた場合、拒絶反応を起こすようです」
「で、てめえが選ばれたのか?」
どことなく不機嫌そうな少年が訊ねる。
それに対しは首を横に振る。
「…守護者の一人になるということになりますから、十代目の許可無くはめることは出来ません」
「お、オレの?」
「はい。十代目が嫌であれば私はこのリングを使う事無く後世へと受け継いでいきましょう」
「そんなこと言われても…」
「どうすんだ。お前が決めなきゃなんねーんだぞ」
「わかってるよ。わかってるけど…」
「私を巻き込みたくないとは思わないでくださいね?」
悩む綱吉には苦笑を浮かべる。
「むしろ巻き込まれるのは皆さんのほうなんですから…」
「どういうこと?」
「先程話したとおり、私の家系は情報屋であり殺し屋です。いつ誰に狙われるのかわからないんですよ」
「でもオレたちと居ないほうがまだ安全なんじゃ…」
「きっとそんなに変わりませんよ」
「もし、守護者にならなかったらどうするの?」
「そうですね…イタリアのどこかでしばらく身を隠します。きっともう二度とここには来れませんが…」
仕方ないですよね、と笑う。
何かを諦めたような、そんな色を浮かべている。
そんな彼女の表情を見て、綱吉は決心した。
「守護者になってもらおう」
「こんな奴に任せていいんですか、十代目!?」
「任せるって言うかさ…オレたちでさんを守ろう。そうしなくちゃいけない気がするんだ」
「いいんだな、ツナ」
「うん。きっと断ったほうが後悔すると思う。みんなはいいかな?」
その場に居た守護者全員がツナの言葉に賛同する。
自分を受け入れてくれたことが嬉しく、の目に涙が浮かんだ。
「?どうしました?」
「ありがとう…ございます…」
そう言って涙を拭うと、は綺麗に笑った。
そして、指輪をはめると綱吉へ向かってお辞儀をした。
「これからよろしくおねがいします、ボス」
顔を上げた彼女の顔にはもう曇りはなかった。
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